腹股沟疝気の放置、あなたはそのリスクに挑む覚悟があるか?
鼠径ヘルニアは後天性の病気で。

鼠径ヘルニアは予防できるのか?
鼠径ヘルニア(いわゆる「脱腸」)は多くの成人に見られる後天性の病気で、適切な予防策を講じることでそのリスクを減らすことができます。今回は、日常生活でできる具体的な予防法を解説し、どのようにして鼠径ヘルニアを予防するかを詳しく見ていきます。
鼠径ヘルニアとは?
鼠径ヘルニアは、腹部の筋肉に欠損ができ、腸や脂肪がその隙間を通り抜けて太ももの付け根に膨らみが現れる病状です。特に腹部で発生するヘルニアの約80%がこの鼠径ヘルニアに該当します。進行すると、腸に圧力がかかり血流が悪化し、最悪の場合は腸閉塞や壊死を引き起こすこともあります。これにより、緊急手術が必要となることがあり、非常に痛みを伴うこともあります。
鼠径ヘルニアを予防するためにできること
1. 重いものを持ち上げない
力仕事をしている方は特に注意が必要です。重い物を持ち上げる際、どうしてもお腹に力が入ってしまうため、鼠径ヘルニアになるリスクが高くなります。作業を工夫し、重い物を持ち上げる際には腰を使うようにする、もしくは他の人に手伝ってもらうことをお勧めします。
2. 立ちっぱなしを避ける
長時間立ちっぱなしでいる仕事(例:レジ打ちや製造業など)をしている場合、鼠径ヘルニアのリスクが高まります。立ちっぱなしでいると腹部に圧力がかかりやすいため、定期的に休憩を取り、座る時間を増やすよう意識しましょう。
3. 便秘を解消する
便秘が続くと、排便時に腹圧が強くかかり、鼠径ヘルニアが発症するリスクが増します。食物繊維を多く摂取すること、またヨーグルトなどの腸内環境を整える食品を取り入れることが予防に繋がります。さらに、軽い運動やウォーキングも腸の動きを促進し、便秘予防に効果的です。
4. 肥満を解消する
肥満の状態では、腹圧がかかりやすいため、鼠径ヘルニアのリスクが増します。健康的な体重を維持するために、過食を避け、脂肪分の多い食事を控えることが重要です。また、日常的な運動習慣を取り入れ、体重管理をすることが予防につながります。ただし、過度な筋力トレーニングは逆効果になることもあるため、無理のない範囲で運動を行いましょう。
5. くしゃみや咳を控えめにする
くしゃみや咳を力いっぱいすると、腹部に強い圧力がかかり、その結果鼠径ヘルニアを引き起こすことがあります。くしゃみや咳をするときは、手やハンカチで抑えることを習慣化し、腹圧を軽減することが大切です。
6. ストレスや疲労を溜め込まない
過度なストレスや疲労は自律神経の乱れを引き起こし、便秘や消化不良の原因となることがあります。自律神経が乱れると、腹圧に影響を与え、ヘルニアを悪化させる可能性があります。リフレッシュや休養を心がけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
日常生活でできる予防法を実践しよう
鼠径ヘルニアは生活習慣の改善と予防策を取り入れることで、そのリスクを大幅に減らすことができます。今回紹介した予防法はすべて、日々の生活に簡単に取り入れることができるものばかりです。お腹に無理な力をかけないよう意識し、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。
最初は周囲の理解を得るために少し手間がかかるかもしれませんが、一つひとつの予防法を少しずつ実践することで、鼠径ヘルニアのリスクを防ぐことができるでしょう。日常の小さな心がけが、健康を守る大きな力となります。